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アドブルーの代わりにションベン(尿)が使えない理由を解説
ディーゼル車に乗っている方の中には、「アドブルーの代わりにションベン(尿)を使えるのではないか」と考えた方もいるかもしれません。アドブルーには尿素が含まれているため、人間の尿でも代用できるのではないかという俗説を耳にしたことがある方も多いと思います。
しかし、安易に代用してしまうと、高額な修理費用が発生したり、車両自体が走行不能になったりするリスクがあります。正しい知識を持たずに実行することは非常に危険です。
この記事では、アドブルーの代わりにションベンを使えるのかという疑問について、成分の違いやリスク、正しい補充方法まで詳しく解説していきます。
アドブルーの代わりにションベン(尿)は使えるのか
結論から言うと、アドブルーの代わりにションベン(人間の尿)を使うことは絶対にできません。以下の3つの観点から、代用が不可能である理由を解説します。
- 成分濃度の決定的な違い
- 不純物によるシステム故障
- 法規制と保証の問題
アドブルーは高度に精製された工業製品であり、人間の尿とは似て非なるものです。それぞれの観点から、なぜ代用できないのかを理解できます。
それでは各項目について、詳しく解説していきます。
成分濃度の決定的な違い
アドブルーは尿素32.5%と高純度の精製水67.5%で構成された尿素水溶液です。SCRシステムとは、排気ガス中の窒素酸化物を無害な窒素と水に還元する装置のことで、この精密な濃度でなければ正常に機能しません。
| 項目 | アドブルー | 人間の尿 |
|---|---|---|
| 尿素濃度 | 32.5% | 約2% |
| 水分 | 精製水67.5% | 約95%以上 |
| 不純物 | ほぼゼロ | 塩分、アンモニア、ホルモン等 |
人間の尿に含まれる尿素はわずか2%程度で、アドブルーの16分の1以下の濃度です。この濃度差だけでも、代用が不可能であることは明らかです。
不純物によるシステム故障
人間の尿には塩分やミネラル、タンパク質、ホルモンなどさまざまな不純物が含まれています。これらの成分がSCRシステムに流入すると、インジェクター(噴射装置)や触媒が詰まり、故障の原因となります。
- 尿素SCR触媒の目詰まり
- インジェクターの腐食
- センサー類の誤作動
一度故障すると修理費用は数十万円以上かかるケースもあるため、安易な代用は避けるべきです。
法規制と保証の問題
アドブルーはISO22241という国際規格で品質が厳密に定められた製品です。規格外の液体を使用した場合、メーカー保証の対象外となるだけではなく、排ガス規制違反に問われる可能性もあります。
- メーカー保証が無効になる
- 排ガス規制に抵触する恐れ
- 車検に通らなくなる
正規品以外を使用するリスクは金銭面だけにとどまらず、法的な問題にも発展する可能性があることを理解しておく必要があります。
アドブルーの代わりにションベンを入れた場合のリスク
実際にアドブルーの代わりにションベン(おしっこ)を入れてしまった場合、以下の3つの深刻なリスクが発生します。
- エンジン始動不能になる
- SCRシステムの全交換が必要
- 走行中の警告灯点灯
それぞれのリスクは、車両の使用継続を困難にするレベルのものです。
それでは各項目について、詳しく解説していきます。
エンジン始動不能になる
最新のディーゼル車は、アドブルーの品質異常を検知するとエンジン始動を制限する仕組みがあります。品質センサーが異常を検知した段階で、カウントダウン警告が始まり、最終的にエンジンがかからなくなります。
- 警告灯点灯から数十回の始動でロック
- レッカー搬送が必要になる
- ディーラーでの復旧作業が必須
出先で発生した場合、レッカー代と修理代で大きな出費となるため、絶対に避けるべき事態です。
SCRシステムの全交換が必要
ションベンを注入してしまうと、タンク内部から配管、インジェクター、触媒までの全系統が汚染されます。一度汚染された部品は洗浄では元に戻らず、全交換が必要になるケースがほとんどです。
| 交換部位 | 費用目安 |
|---|---|
| 尿素水タンク | 10万円〜20万円 |
| SCR触媒 | 30万円〜50万円 |
| インジェクター | 5万円〜10万円 |
合計で50万円以上の修理費になる可能性があり、経済的な負担は非常に大きいです。
走行中の警告灯点灯
品質異常を検知すると、メーターパネルに警告灯が点灯し、出力制限モードに入ります。出力制限とは、エンジン出力を意図的に下げて走行を抑制する機能のことです。
- 加速が極端に鈍くなる
- 速度制限がかかる
- 高速道路での走行が危険
走行中に発生すると事故につながる危険性もあるため、正規品以外の使用は厳禁です。
アドブルーを正しく補充する方法
アドブルーの代わりにションベンなどを使うのではなく、正しい方法で補充することが唯一の選択肢です。以下の3つの方法があります。
- ガソリンスタンドで補充する
- カー用品店で購入して自分で補充する
- ディーラーで補充してもらう
それぞれの方法には特徴があり、状況に応じて最適な方法を選択できます。
それでは各項目について、詳しく解説していきます。
ガソリンスタンドで補充する
大型トラックが利用するガソリンスタンドでは、アドブルーの量り売りや給油機が設置されています。給油機とは、燃料と同じようにノズルから直接注入できる装置のことです。
- 高速道路のSA/PAにも設置あり
- 1リットルあたり50円〜100円程度
- 給油と同時に補充できる
長距離移動中でも手軽に補充できる点が大きな利点です。
カー用品店で購入して自分で補充する
オートバックスやイエローハットなどのカー用品店では、10リットルや20リットルのボトル入りアドブルーが販売されています。自宅で保管しておけば、必要な時にすぐ補充できます。
| 容量 | 価格目安 |
|---|---|
| 5リットル | 1,500円前後 |
| 10リットル | 2,500円前後 |
| 20リットル | 4,500円前後 |
まとめ買いすれば1リットルあたりの単価を抑えられるため、日常的に使う方におすすめです。
ディーラーで補充してもらう
車両を購入したディーラーでも、アドブルーの補充サービスを提供しています。点検と同時に補充してもらえるため、手間をかけずに管理できます。
- 純正品質が保証される
- 点検と同時に対応可能
- 価格はやや高め
品質にこだわりたい方や、自分で補充するのが不安な方に適した選択肢です。
アドブルーに関するよくある質問
アドブルーに関してよく寄せられる質問をまとめました。以下の4つの疑問について回答します。
- アドブルーとは何ですか?
- アドブルーの代わりに水道水は使えますか?
- アドブルーが切れるとどうなりますか?
- アドブルーの消費量はどれくらいですか?
それぞれの質問への回答を確認することで、アドブルーに関する基礎知識を深められます。
アドブルーとは何ですか?
アドブルーは、ディーゼルエンジンの排ガス浄化に使用される高純度尿素水溶液の商標名です。
- 尿素32.5%と精製水67.5%の混合液
- ISO22241規格に準拠
- 無色透明で弱アルカリ性
アドブルーの代わりに水道水は使えますか?
水道水もションベンと同様、アドブルーの代わりには使えません。
- 尿素成分がゼロのため機能しない
- ミネラル分がシステムを腐食させる
- 品質センサーが即座に異常を検知
アドブルーが切れるとどうなりますか?
アドブルーが完全に切れると、次回以降エンジンが始動できなくなります。
- 残量警告が段階的に表示される
- 警告無視で始動不能に
- 補充すれば通常通り始動可能
アドブルーの消費量はどれくらいですか?
一般的には燃料消費量の3〜5%程度が目安です。
- 乗用車で1,000kmあたり約1リットル
- トラックではより多く消費
- 運転状況によって変動する
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