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アドブルーが必要な車・不要な車の一覧

「自分の車にアドブルーは必要なのか」「ディーゼル車だけど不要な車種もあるのか」という疑問を持つ方は多いです。ディーゼル車であっても排ガス浄化方式によってアドブルーが必要な車と不要な車が存在するため、一概に「ディーゼル=アドブルー必要」とは言い切れません。

この記事では、アドブルーが必要な車と不要な車を車種名入りの一覧表で明確に分け、自分の車が対象かどうかを確認する方法を解説していきます。


アドブルーが必要な車の見分け方

アドブルーが必要な車は「尿素SCRシステム」を搭載したディーゼル車です。尿素SCRシステムとは、排気管内にアドブルー(尿素水)を噴射して化学反応を起こし、排ガス中の窒素酸化物(NOx)を無害な水と窒素に分解する排ガス後処理装置のことです。

排ガス浄化方式 アドブルー 代表車種
尿素SCR + DPF 必要 ランクル300・ハイエース・デリカD5
DPF + LNT(NOxトラップ) 不要 旧型デリカD5・旧型ハイエース
低圧縮比燃焼(SKYACTIV-D) 不要 マツダ CX-5・CX-60・MAZDA3等

つまり、同じ車種名であっても年式(マイナーチェンジの前後)によってアドブルーが必要になるケースがあります。たとえばハイエースは2017年11月以降のモデルで尿素SCRが採用され、それ以前のモデルは不要です。デリカD5も2019年2月以降のモデルのみ必要になっています。

ガソリン車やハイブリッド車にはアドブルーは一切必要ありません。アドブルーが必要なのはディーゼルエンジン搭載車の中で、かつ尿素SCRシステムを採用している車種のみです。

アドブルーが必要な乗用車の車種一覧

国産乗用車でアドブルーが必要な車種は、トヨタと三菱、日産の3メーカーに集中しています。ここでは、メーカー別にアドブルーが必要な主要車種を紹介します。

  1. トヨタ
  2. 三菱
  3. 日産

それでは各項目について、詳しく解説していきます。

トヨタ

トヨタは国産乗用車メーカーの中でアドブルー対象車種が最も多く、SUVや商用車を中心に尿素SCRシステムを採用しています。

車種 対象モデル・年式 タンク容量目安
ランドクルーザー300 2021年8月〜(ディーゼル) 約16L
ランドクルーザー250 2024年4月〜(ディーゼル) 約14L
ランドクルーザー70 2024年再再販(GDJ76) 約13L
ハイラックス 2017年9月〜(GUN125) 13〜17L
ハイエース 2017年11月〜(1GD-FTV搭載) 7.4〜10.4L
ランドクルーザープラド 2015年6月〜(1GD-FTV搭載) 約13L

トヨタのディーゼル乗用車はほぼ全車種が尿素SCRを採用しており、ディーゼルモデルを選べばアドブルーが必要になると考えてください。ガソリンモデルやハイブリッドモデルのみを選択すればアドブルーは不要です。

三菱

三菱は2019年以降のモデルチェンジで尿素SCRシステムを順次採用しています。旧モデルではLNT(NOxトラップ)方式でアドブルー不要だった車種が、新モデルで必要になったケースがある点に注意してください。

車種 対象モデル・年式 タンク容量目安
デリカD5 2019年2月〜(3DA-CV1W) 約16L
エクリプスクロス ディーゼルモデル(該当年式) 約11L
トライトン 2024年2月〜(国内販売開始) 約15L

三菱のデリカD5は2019年2月のビッグマイナーチェンジ以前のモデル(LDA-CV5W等)はアドブルー不要です。中古車で購入する場合は年式と型式で判断してください。

日産

日産の乗用車・商用車でアドブルーが必要な主要車種はキャラバン(2022年5月以降のマイナーチェンジモデル)です。旧型のNV350キャラバン(YD25DDTiエンジン搭載)はリーンNOxトラップ方式のためアドブルー不要です。

車種 対象モデル・年式 タンク容量目安
キャラバン 2022年5月〜(4N16型エンジン) 約11.4L

日産はガソリン車やe-POWER(シリーズハイブリッド)に注力しているため、ディーゼル乗用車のラインナップは限定的です。キャラバン以外の乗用車(ノート・セレナ・エクストレイル等)はガソリンまたはe-POWERのためアドブルーは不要です。

アドブルーが必要なトラック・商用車

2010年(平成22年)排出ガス規制以降の国産ディーゼルトラックは、メーカーを問わず原則として全車種に尿素SCRシステムが搭載されており、アドブルーが必要です。小型(2トン)から大型(10トン)まで、現行モデルのディーゼルトラックでアドブルー不要の車種はほぼ存在しません。

メーカー 小型(2t) 中型(4t) 大型(10t)
いすゞ エルフ フォワード ギガ
日野 デュトロ レンジャー プロフィア
三菱ふそう キャンター ファイター スーパーグレート
UDトラックス カゼット コンドル クオン

上記の全車種が尿素SCRシステムを搭載しており、アドブルーの定期補充が必要です。バスについても同様に、ディーゼルエンジン搭載の路線バスや観光バスはアドブルーが必要な車両がほとんどです。

2010年以前に製造された旧型トラック(いわゆるポスト新長期規制以前)にはアドブルー不要の車両も存在しますが、現行の排出ガス規制に適合するために中古車であっても整備・改造なしでは車検に通らないケースが増えています。

アドブルーが不要なディーゼル車

ディーゼル車であっても、排ガス浄化方式が尿素SCR以外の車種ではアドブルーは不要です。ここでは、アドブルーがいらない車を3つのカテゴリに分けて解説します。

  1. マツダ全車(SKYACTIV-Dエンジン搭載車)
  2. 旧型ディーゼル車(DPF+LNTのみの車種)
  3. BMWディーゼル(世代による違い)

それでは各項目について、詳しく解説していきます。

マツダ全車(SKYACTIV-Dエンジン搭載車)

マツダが開発したSKYACTIV-Dエンジンは、低圧縮比(14.0:1)による燃焼技術によってNOxの発生そのものを抑制する設計です。そのため尿素SCRシステムもNOxトラップ触媒も不要であり、アドブルーの補充は一切必要ありません。

車種 エンジン アドブルー
CX-60 SKYACTIV-D 3.3 不要
CX-5 SKYACTIV-D 2.2 不要
CX-8(生産終了) SKYACTIV-D 2.2 不要
MAZDA3 SKYACTIV-D 1.8 不要
CX-30 SKYACTIV-D 1.8 不要
MAZDA2 SKYACTIV-D 1.5 不要

マツダのSKYACTIV-Dはアドブルー補充の手間とコストがゼロである点が大きなメリットです。ディーゼル車を選びたいがアドブルーの管理は避けたいという方には、マツダのディーゼルモデルが選択肢になります。

旧型ディーゼル車(DPF+LNTのみの車種)

尿素SCRシステムが普及する以前のディーゼル車は、DPF(ディーゼル微粒子捕集フィルター)とLNT(リーンNOxトラップ触媒)の組み合わせでNOxを浄化する方式を採用しており、アドブルーは不要です。LNTとは、触媒内にNOxを一時的に吸着し、リッチ燃焼時に還元して浄化する方式のことです。

  • ハイエース 2017年10月以前(1KD-FTV/2KD-FTV)
  • デリカD5 2019年1月以前(LDA-CV5W)
  • NV350キャラバン 2022年4月以前(YD25DDTi)
  • ランドクルーザープラド 2015年5月以前(1KD-FTV)

中古車を購入する場合は、同じ車名でも年式・型式によってアドブルーの要否が変わるため、必ず型式(車検証の「型式」欄)を確認してください。

BMWディーゼル(世代による違い)

BMWのディーゼル車は世代によってアドブルーの要否が異なります。初期のBMWディーゼル(2010年代前半まで)はNOxトラップ触媒のみでアドブルー不要でしたが、近年のモデル(2018年以降の多くの車種)では尿素SCRシステムが追加され、アドブルーが必要になっています。

世代 アドブルー 代表モデル
2018年以前の多くのモデル 不要 320d(F30)・X3(F25)等
2018年以降の多くのモデル 必要 320d(G20)・X3(G01)等

BMWのディーゼル車を購入する際は、個別の車両がアドブルー対象かどうかをディーラーまたは取扱説明書で確認してください。同じ型式であってもモデルイヤーの途中で変更されているケースがあるため、一律に判断できない点に注意が必要です。

自分の車にアドブルーが必要か確認する方法

自分の車にアドブルーが必要かどうかが不明な場合は、以下の2つの方法で確認できます。

  1. 補充口(青いキャップ)の有無で確認する
  2. 取扱説明書で確認する

それでは各項目について、詳しく解説していきます。

補充口(青いキャップ)の有無で確認する

アドブルーが必要な車には、必ず青色のアドブルー補充口キャップが車体のどこかに設置されています。この青いキャップが見つかれば尿素SCRシステム搭載車であり、アドブルーが必要です。

確認箇所 代表車種
給油口の隣 ランクル300・ハイラックス
ボンネット内(エンジンルーム) ハイエース・ランクルプラド
助手席側フェンダー上部 ランクル70(再再販)
リアゲート内(ラゲッジ) デリカD5
助手席側スライドドア内 キャラバン(E26)

青いキャップが見当たらない場合は、アドブルーが不要な車種(マツダSKYACTIV-D搭載車や旧型DPF+LNT車)である可能性が高いです。念のため取扱説明書でも確認してください。

取扱説明書で確認する

取扱説明書(オーナーズマニュアル)の目次で「アドブルー」「AdBlue」「尿素水」「尿素SCR」のいずれかのキーワードを検索してください。該当する記載があればアドブルーが必要な車種、記載がなければ不要です。

  • トヨタ: 取説に「AdBlue(尿素水)の補給」の章あり
  • 三菱: 取説に「尿素SCRシステム」の章あり
  • 日産: 取説に「AdBlue(尿素水溶液)」の章あり

取扱説明書が手元にない場合は、メーカー公式サイトでPDF版を無料ダウンロードできるケースが多いです。また、車検証の「型式」をディーラーに伝えれば、電話でもアドブルーの要否を確認できます。

アドブルーが必要な車に関するよくある質問

ガソリン車にアドブルーは必要ですか?

ガソリン車にはアドブルーは一切必要ありません。アドブルーはディーゼルエンジン搭載車の中で尿素SCRシステムを採用している車種にのみ必要です。ガソリン車やハイブリッド車、電気自動車にはアドブルーの補充口自体が存在しません。

マツダのディーゼル車にアドブルーは不要ですか?

マツダのSKYACTIV-Dエンジン搭載車は全車種でアドブルー不要です。マツダは低圧縮比燃焼技術によってNOxの発生を抑制する方式を採用しており、尿素SCRシステムを搭載していないため、アドブルーを補充する必要は一切ありません。

アドブルーが必要な車で補充しないとどうなりますか?

アドブルーの残量がゼロになった状態でエンジンを停止すると、次回のエンジン始動ができなくなります。走行中にエンジンが突然停止することはありませんが、エンジンを切った時点で再始動が制限されるため、警告灯が出たら早めに補充してください。

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