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アドブルーを入れたのに警告灯の表示が消えない場合の対処法
ディーゼル車のアドブルーで警告表示が出た際、規定量を補充したにもかかわらず表示が消えなくて焦ってしまった経験はないでしょうか。アドブルーが空の状態でエンジンを停止すると、次回の再始動時にエンジンがかからなくなります。
走行中はエンジンが止まらないため、アドブルーが空になっても走行は続けられますが、その状態でエンジンを止めると再始動不可となるシステム特有の安全機構が働きます。早期に対処することによって、この状態を回避できます。
この記事では、アドブルーの警告表示を消す具体的な手順に加え、表示が消えない原因や専用診断機を用いたリセット方法まで詳しく解説します。自分で補充したものの表示が消えず、専門業者に修理を依頼すべきか迷っている方は、ぜひ参考にしてください。
このページの内容
- アドブルー警告灯の基本的な消し方
- 規定量のアドブルーを補充する手順
- エンジンを再始動して確認する手順
- テスト走行でシステムに認識させる手順
- アドブルー警告灯が消えない原因
- システムが補充を認識するまでのタイムラグ
- ECU内に残った故障コードの保留
- アドブルーの成分による配管の結晶化
- NOxセンサーの物理的な故障
- アドブルー警告灯が消えない場合の対処法
- 専用診断機で故障コードを読み取りリセットする方法
- 結晶化による詰まりを解消する方法
- ディーラーなどの専門業者へ修理を依頼する方法
- アドブルーの警告灯に関するよくある質問
- アドブルーの噴射異常警告が自然に消えた場合は放置してよいですか?
- アドブルー警告灯が出たまま走り続けるとどうなりますか?
- アドブルーのシステムを無効化するキャンセルは違法ですか?
アドブルー警告灯の基本的な消し方
メーターパネルに警告が表示された場合、まずは正しい手順で補充とシステムの認識を行う必要があります。なお、再始動不可の警告が表示されている場合は、エンジンを切らずにそのまま販売会社・整備工場へ持ち込んでください。
ここでは基本的な消し方として、以下の3つを解説します。
- 規定量のアドブルーを補充する手順
- エンジンを再始動して確認する手順
- テスト走行でシステムに認識させる手順
補充や操作の前に、必ず車両の取扱説明書を確認し、車種ごとの指定手順に従ってください。消し方の基本は「取扱説明書の指定補充量を満たす→エンジン始動・警告確認→消えなければ専門業者へ診断依頼」という流れです。
規定量のアドブルーを補充する手順
警告を消すための最初のステップは、タンクにアドブルーを正しく補充することです。量が不足していると、システムが補充を認識できず警告表示が継続します。
補充にはVDA(ドイツ自動車工業会)の登録商標であるAdBlue®、またはISO 22241規格に準拠した認証品を必ず使用してください。一般の尿素水や非認証品を使用すると、尿素SCRシステムに深刻なダメージを与える可能性があります。
指定以外の液体の補充は絶対に行わないでください。
- AdBlue®またはISO 22241準拠の認証品のみ使用する
- 車両の取扱説明書でタンク容量と規定量を事前に確認する
- 異物や水分が混入しないように注意する
- 周辺にこぼれた場合は大量の水で洗い流すか、水を含ませた布で十分に拭き取る(アドブルーは金属の腐食や塗装面の剥がれを引き起こす性質があるため、放置しないこと)
最低補充量や認識に必要な手順は車種によって異なるため、必ず取扱説明書で確認してから補充量を準備してください。タンク容量の目安は乗用車で7〜16L程度(車種によって異なります)、小型トラックで20〜40L程度、大型トラックでは60L以上のモデルも多数存在します。
なお、具体的な補充量はメーカーや車種によって大きく異なるため、取扱説明書の指定に必ず従ってください。
エンジンを再始動して確認する手順
補充が完了したら、車両のシステム(ECU)に新しい残量を認識させる作業が必要です。単に補充しただけでは、即座にメーターの表示が更新されない車種が多く存在します。
車両の電源を一度オフにし、数分待ってから再びエンジンを始動させてください。ほとんどのSCR搭載車では、イグニッションをオンにしてから数秒間待機し、システムチェックを完了させてからエンジンを始動させる操作が推奨されます。
車種ごとの取扱説明書の指示に従って操作してください。
| 状況 | メーターの表示結果 |
|---|---|
| 正しく認識された場合 | 警告表示が消灯し、通常画面に戻る |
| タイムラグがある場合 | 警告表示が継続し、取扱説明書の指定する手順に従った走行・待機が必要 |
| システムに異常がある場合 | 何度再始動しても警告表示が消えない |
補充後も警告が消えない場合は、次の「テスト走行でシステムに認識させる手順」に進んでください。
テスト走行でシステムに認識させる手順
エンジンを再始動しても表示が変わらない場合、実際の走行を通じてセンサーに流動を検知させる必要があります。補充後すぐに認識されないのは、システムが安定するまでにタイムラグがあるためです。
安全な道路状況を確認したうえで、一定の速度を保ちながら短時間のテスト走行を実施してください。走行時間の目安は車種によって異なるため、取扱説明書に指定がある場合はその指示に従ってください。
- アイドリング状態ではなく実際に走行させる
- 交通量の少ない安全な場所で実施する
- 走行中に再始動不可の警告へ移行していないか確認する
テスト走行を終えても警告が継続する場合、NOxセンサーの故障や尿素水の結晶化といった深刻な原因が潜んでいる疑いがあります。無理な走行は控え、早急に原因の切り分けを行ってください。
上記の基本的な手順を試してもメーターの表示に変化がない場合は、単なる残量不足以外のトラブルが発生していると推測されます。無理に走行を続けるとエンジンがかからなくなる恐れがあるため、速やかに次の対処へ移ってください。
アドブルー警告灯が消えない原因
アドブルーを規定量まで補充しても、メーターパネルの警告がリセットされず、点灯したままになるケースがあります。これには一時的なシステム上の問題から、部品の故障といった深刻なトラブルまで、複数の要因が考えられます。
| 原因の種類 | 主な特徴と影響 |
|---|---|
| タイムラグ | 補充からシステムが認識するまで時間がかかる状態です。 |
| 故障コードの残存 | コンピューター内に過去の異常を示す故障コードが残っている状態で、車種・症状によって対処が異なります。 |
| 配管の結晶化 | 尿素が固まり、アドブルーの通り道が詰まる現象です。 |
| センサー故障 | 部品自体の破損により、正確な計測ができない状態です。 |
システムが補充を認識するまでのタイムラグ
アドブルーをタンクに注いでも、車のシステムが残量増加を即座に感知できないことがあります。液面センサーが反応してデータを更新するまでに、一定の時間や手順が必要です。
補充量の不足ではなく、システムが安定するまでの待機時間が原因のため、まずは焦らず以下の操作を試してください。
- イグニッションをオンにして数秒〜数分間待機する
- 安全な場所で取扱説明書の指示に従った短時間テスト走行を行う
- 取扱説明書に記載の待機・始動手順に従う
このような操作によって、システムが正常にリセットされ、表示が消えるケースは少なくありません。それでも表示が継続する場合は、下記の別の原因を確認してください。
ECU内に残った故障コードの保留
アドブルーの残量低下や一時的な異常が、車の制御コンピューター(ECU)に故障コードとして記録されることがあります。物理的に液量が回復しても、この故障コードが残っていると警告は点灯し続けます。
ただし、故障コードの保留による警告継続は車種や異常の内容によって異なるため、自己判断で断定せず、専用診断機で故障コードを確認することが確実です。
この場合、自然に消灯することもありますが、専用診断機による故障コードの消去が必要になるケースも多いです。
- 一定の走行距離や回数を経て自然に消えるケース
- 専用の診断機を使って故障コードを消去するケース
- ディーラーでプログラムの更新を行うケース
故障コードが残存していることが原因であれば、整備工場で専用ツールを使ったリセット作業を依頼するのが確実です。
アドブルーの成分による配管の結晶化
アドブルーは尿素水溶液であるため、車両停止後に乾燥や温度変化が起きると水分が蒸発して尿素結晶が析出する特性を持っています。この結晶は噴射ノズルや配管の周辺に付着するため、日常的な使用でも発生することがあります。
「長期間乗らない場合だけ起きる現象」ではない点に注意が必要です。
詰まりが発生すると、システムはアドブルーが正常に噴射されていないと判断し、エラーを出し続けます。
- ノズル先端に白い結晶が付着して塞がる
- 配管内部が狭くなり、規定量が送られない
- ポンプに負荷がかかり、二次的な故障を招く
詰まりが発生した場合は、ディーラーや整備工場にてメーカーの整備要領に従った方法で部品清掃・洗浄を依頼してください。なお、アドブルーはISO 22241規格で成分が厳密に規定されており、規格外の添加剤をタンクに混入することは推奨されていません。
NOxセンサーの物理的な故障
排気ガス中の窒素酸化物(NOx)を計測するセンサーが故障していると、アドブルーの量に関わらずエラーが解消されません。センサー自体が劣化したり、断線したりすることが原因です。
このトラブルが発生した場合、システムは排気浄化ができていないと判定するため、出力制限(リンプモード)や、最終的にはエンジン再始動不可(ブロッキング状態)に至る可能性があります。
- センサー内部の電子部品の経年劣化
- 配線のショートや物理的な断線
- 排気ガスのススによるセンサー汚れ
- 尿素結晶の付着によるセンサー詰まり
NOxセンサーの故障が疑われる場合は、早急に専門業者へ点検を依頼し、必要に応じて部品交換を実施してください。
アドブルー警告灯が消えない場合の対処法
アドブルーを補充しても警告の表示が残る場合、システムのリセットや物理的なメンテナンスが必要です。原因と状況に合わせて適切な対処法を選択してください。
- 専用診断機で故障コードを読み取りリセットする方法
- 結晶化による詰まりを解消する方法
- ディーラーなどの専門業者へ修理を依頼する方法
専用診断機で故障コードを読み取りリセットする方法
システム内に残った故障コードは、専用の診断機を使わないと確認・消去できない場合があります。アドブルーを規定量補充した上で、スキャンツールを接続して故障コードの内容を確認し、原因が解消されていれば消去の操作を行います。
車両の専用端子に診断機を接続し、アドブルー関連のシステムから故障コードを読み取って内容を確認します。原因が解消された故障コードは消去できますが、部品の異常が継続している場合は消去後も再発するため、根本原因の特定が必要です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 必要機材 | 車種に適合する専用診断機(スキャンツール) |
| 作業目的 | ECUに残った故障コードの読み取りと、原因解消後の消去 |
| 確認事項 | リセット後も警告が再発するかどうかのテスト走行 |
リセットを完了しても再び警告が表示される場合、センサー類や配管に物理的な異常が継続している可能性があります。
結晶化による詰まりを解消する方法
配管やノズル内で尿素水が結晶化すると、詰まりを引き起こしてシステムが異常を検知し続けます。詰まりの解消にはメーカーの整備要領に従った専門的な処置が必要です。
ディーラーや整備工場に車両を持ち込み、詰まったノズルや配管の物理的な清掃・洗浄を依頼してください。洗浄方法はメーカーの整備要領に従ったものが使用され、一般向け記事で特定の洗浄液を推奨することは適切ではないため、具体的な方法は整備担当者に確認してください。
- 噴射ノズル・配管のメーカー指定方法による物理洗浄
- 詰まりが深刻な場合は部品交換による対応
- 作業後はシステムの動作確認と警告消灯を確認する
なお、アドブルーはISO 22241規格で成分が厳密に規定された液体です。規格外の添加剤をアドブルータンクに混入することは多くの自動車メーカーが推奨しておらず、SCRシステムの深刻な故障やメーカー保証の適用外となる恐れがあります。
市販の添加剤を使用する場合は、車両メーカーが明示的に認める製品や手順に限り、取扱説明書の指示に厳密に従って使用してください。
ディーラーなどの専門業者へ修理を依頼する方法
リセット作業や洗浄を試しても解決しない場合は、専門の設備を持った工場による点検と修理が必要です。そのまま放置して走行を続けると、エンジンが再始動できなくなる恐れがあります。
ディーラーや整備工場に車両を持ち込み、NOxセンサーなどの部品に故障がないか詳細な診断を受けます。
- 異常を検知した時期やこれまでに補充した量を正確に伝える
- 専用の機材を用いた正確な故障箇所の特定と診断を依頼する
- 部品交換が必要と判断された場合は見積もりを確認する
SCRシステムを無効化するようなプログラム変更(ECU書き換え等)は、国土交通省「不正改造車を排除する運動」でも明示されているとおり、道路運送車両法に定める保安基準(排ガス規制)に違反する不正改造(同法第99条の2)に該当します。保安基準不適合車として車検不合格・公道走行禁止となり、整備命令や使用禁止処分の対象となりますので、絶対に行わないでください。
アドブルーの警告灯に関するよくある質問
アドブルーの噴射異常警告が自然に消えた場合は放置してよいですか?
放置せず、早めに点検を受けてください。警告が一時的に消えたとしても、システム(ECU)内に故障コードが残っている可能性があるため、専門業者に確認を依頼してください。
根本的な原因が解決していないため、再発や悪化を招く危険性があります。再発した場合は専用の診断機で故障コードを確認し、適切な処置を行ってください。
アドブルー警告灯が出たまま走り続けるとどうなりますか?
警告を放置して走り続けると、最終的にエンジンが再始動できなくなります。走行中にアドブルーが空になってもエンジンは止まりませんが、その状態でエンジンを停止すると次回の再始動時にエンジンがかからなくなるシステム特有の安全機構が働くためです。
警告の種類(残量警告・SCR故障警告・再始動不可警告)によって対処が異なるため、取扱説明書の指示に従い、手遅れになる前に規定量のアドブルーを補充するか、専門業者へ点検を依頼してください。
アドブルーのシステムを無効化するキャンセルは違法ですか?
違法行為です。尿素SCRシステムを備えた車両でECU書き換えによりシステムを無効化することは、道路運送車両法上の不正改造(同法第99条の2)に該当し、保安基準不適合車として車検不合格や公道走行禁止、整備命令や使用禁止処分の対象にもなります。
安易な無効化は避け、ディーラーなどの専門業者に依頼して適切な修理を行ってください。一時的な出費を惜しんで不正な改造を行うと、かえって重大な法的・経済的問題を引き起こします。
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