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三菱総合研究所が示したエネルギー自律化と1兆円規模の負担回避試算

三菱総合研究所が示したエネルギー自律化と1兆円規模の負担回避試算

2026年8月5日、三菱総合研究所の政策・経済センターは、日本の化石燃料輸入負担とエネルギー安定供給を扱う分析を公開し、エネルギーの自律化に向けた考え方を示した。日本の化石燃料純輸入額は年間20兆円を超え、人口で機械的に除した1人当たりの金額は年間19万円になるとしている。[1]

分析では2035年度を対象に、再生可能エネルギー、原子力、石炭火力、自動車、資源循環の5分野で対策を強化する自律シナリオを設定し、現状延長のBAUシナリオと比較した。設定した条件では、有事の化石燃料費について、再生可能エネルギーと原子力でそれぞれ約3,000億円、石炭火力で約2,000億円、自動車と資源循環で約1,000億円の削減効果を試算している。

自律シナリオでは、BAUシナリオと比べてエネルギー自給率が平時と有事の双方で1.3ポイント向上し、GHG排出量は平時に1.6ポイント、有事に0.8ポイント減少する結果となった。各対策に必要な追加費用は化石燃料費の削減効果に含まれておらず、具体的な検討では対策ごとの費用と効果を確認する必要があるとしている。

自律シナリオで想定した5分野の化石燃料費削減効果

項目 詳細
再生可能エネルギー BAU比で10GWを追加し、有事の化石燃料費を約3,000億円削減する試算
原子力 BAU比で2GWの再稼働が進んだ場合、有事の化石燃料費を約3,000億円削減する試算
石炭火力 BAU比で3GWを有事対応に活用し、有事の化石燃料費を約2,000億円削減する試算
自動車 EVとPHEVの導入拡大による電化分を対象に、有事の化石燃料費を約1,000億円削減する試算
資源循環 再生材とバイオマスプラスチックによるナフサ代替を対象に、有事の化石燃料費を約1,000億円削減する試算
5分野の合計 設定した条件のもとで、有事に約1兆円の化石燃料負担を回避する試算

Fuel Connect編集部の整理

本記事は、日本の化石燃料輸入負担を低減し、価格変動時の費用増加を抑えるためのエネルギー需給構造について、2035年度を対象とした複数分野の試算を整理したものである。再生可能エネルギーや原子力だけでなく、石炭火力、自動車の電動化、資源循環を同一のシナリオに含め、それぞれの化石燃料費削減効果を示している。

エネルギーや燃料の調達を担当する企業のほか、EVとPHEVの導入計画を扱う車両管理部門、輸送や物流のエネルギー使用量を管理する実務担当者が、前提条件と試算範囲を把握する際に関係する内容である。試算には各対策の追加費用が含まれていないため、設備導入、電源構成、車両更新、燃料調達などの実務では、削減額と必要費用を分けて確認することが前提となる。

References

  1. ^ 【三菱総合研究所】. 「エネルギー自律化に向けた化石燃料輸入負担とエネルギー安定供給の分析」. https://www.mri.co.jp/knowledge/insight/20260805_2.html.

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