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エルフのアドブルー噴射異常をリセットする方法

いすゞのトラックであるエルフアドブルー(高品位尿素水)噴射異常の警告が点灯した際、エンジンがかからなくなるなどのトラブルを心配して焦ってしまった経験はないでしょうか。噴射異常という表示・診断結果が出た場合、補給だけでは解決しないことが多いですが、尿素水不足・品質異常・添加システム異常は警告の内容が似ることがあるため、まず警告の種別と故障コードを確認することが先決です。

原因となる箇所を修理して適切なリセット作業を行えば、車両使用制限のリスクを低減できます。

この記事では、エルフで発生したアドブルー噴射異常の警告表示を消す具体的な修理手順に加え、警告が点灯する主な原因や関連するよくある質問まで詳しく解説します。自社で簡単なトラックの整備を行っている担当者や運転中のドライバーの方は、ぜひ参考にしてください。


エルフのアドブルー噴射異常をリセットする方法

エルフで発生したアドブルー噴射異常の警告灯を消すためには、車両単体でのボタン操作などによるリセットは基本的にできません。ECU(電子制御ユニット)に記録された故障コードは、修理後に診断機(スキャンツール)での故障コード消去またはSCR関連の認識・リセット作業が必要です。

実際の作業内容は診断機の機能や故障内容によって異なるため、ディーラーや整備工場での診断を主軸とすることをおすすめします。ここでは、警告をリセットするために必要な2つのステップを解説します。

リセット作業の全体像と各ステップの概要をまとめた表は、以下の通りです。

手順 作業内容の概要
ステップ1 故障箇所を特定して部品を交換する
ステップ2 スキャンツールでエラー履歴を消去する

まずは物理的な故障箇所を修理したうえで、システムの履歴を消去する流れです。

故障箇所を特定して部品を交換する

アドブルー噴射異常の警告が出た場合、ヒューズ抜きなどの簡易的な裏技で根本的に解決することは不可能です。アドブルー噴射システムはECUが管理しており、ヒューズを切断してもECU内の故障コードは消去されないためです。

まずは診断機を用いて具体的なエラーコードを読み取り、物理的な故障箇所を特定したうえで新しい部品に交換する作業を行います。

交換対象になりやすい代表的な部品は、以下の通りです。なお、実際にはこれらの部品のほか、尿素ポンプや噴射バルブ(インジェクタ)、ECU通信系の不具合が原因となるケースもあります。

  • 尿素水配管ヒーターのリレー断線
  • 尿素水チューブの破損や液漏れ
  • NOx(窒素酸化物)センサーの不良や汚れ

部品の交換後は必要に応じて配管の洗浄を行い、アドブルーが正常に循環する状態を確保します。これらの修理を完了させないと、次のステップであるエラー履歴の消去へ進んでも再び警告が点灯します。

スキャンツールでエラー履歴を消去する

部品の交換作業が終わったら、車両のシステムに記憶されているエラーコードをリセットします。診断機にはいすゞ純正の「G-IDSS」や、SCR系統のリセットに対応した汎用OBD2スキャンツールなどがあり、診断機の種類や故障内容によって実行できる操作が異なります。

スキャンツールを車両のコネクタに接続し、DTC(故障コード)の消去やSCR関連メモリーのリセットなど、状況に応じた操作を行います。

スキャンツールでの消去を行わなかった場合に発生するリスクは、以下の通りです。

  • 警告灯や異常メッセージが点灯し続ける
  • 車種や異常の内容によっては、エンジンの出力制限が段階的に作動する
  • 各種異常警告を放置した場合、エンジンの再始動制限がかかることがある

エラーを確実に消去することでシステムが正常な状態を認識し、フェールセーフ制御(出力制限・再始動制限)が解除されてシステムが正常な制御状態に戻ります。自社にスキャンツールがない場合は、いすゞ販売会社(ディーラー)や整備工場に一連の作業を依頼してください。

いすゞ・エルフのアドブルー噴射異常の主な原因

いすゞのトラックでアドブルー噴射システムの異常を知らせる警告が点灯する場合、いくつかの代表的な故障箇所が考えられます。原因の特定が適切な対処の出発点となるため、早めにいすゞ販売会社(ディーラー)またはいすゞ車対応の整備工場で診断を受けることが必要です。

異常を引き起こす代表的な原因と発生する症状の例は、以下の通りです。

原因の箇所 発生する主な症状
尿素水配管ヒーターリレー 断線によるシステムエラー
尿素水チューブ 破損による物理的な液漏れ
NOxセンサー センサー不良による誤検知や異常

それぞれの原因について、詳しく解説します。

尿素水配管ヒーターリレーの断線

アドブルーのシステム異常として見られる原因の一例が、尿素水配管ヒーターリレーの断線です。この部品は、寒冷地などで尿素水が凍結するのを防ぐために加熱する役割を持っています。

リレーの断線によって引き起こされる事象は、以下の通りです。

  • ヒーターが作動せずエラーが記録される
  • メーターパネルに異常を知らせる警告が点灯する

特定の故障コードが記録された場合、該当部品の交換対応が必要です。修理後は、前述の通りスキャンツールでの消去が必要です。

尿素水チューブ破損による液漏れ

尿素水チューブの破損による物理的な液漏れも、異常警告が点灯する要因の1つです。トラックの走行による振動や経年劣化によって、配管部分に亀裂が生じることがあります。

チューブが破損した場合の具体的な影響は、以下の通りです。

  • アドブルーが規定通りに噴射されなくなる
  • 配管周辺に尿素水の結晶が付着する
  • 排気ガス浄化システム全体に悪影響を及ぼす

このケースでは、破損したチューブの交換作業を実施します。修理後は前述の通りスキャンツールでの消去が必要です。

NOxセンサーの故障

排気ガス中の窒素酸化物濃度を測定するNOxセンサーの不良も、警告の引き金となります。センサーが正常に機能しないと、システムの異常として検知されます。

NOxセンサーの故障時に確認すべきポイントは、以下の通りです。

  • センサー本体の汚れや劣化による測定不良
  • 他の部品の不具合と併発していないかの点検

作業実績上、洗浄で復旧するケースもありますが、整備工場での点検を受けたうえで判断してください。いすゞ公式では基本的に部品交換での対応が推奨されています。

なお、強制再生作業はDPD(いすゞにおけるPM=粒子状物質除去装置)の目詰まり解消を目的とした別の作業であり、尿素SCRシステムのNOxセンサー単体の故障対処とは区別されます。修理後は前述の通りスキャンツールでの消去が必要です。

エルフのアドブルー噴射異常に関するよくある質問

いすゞ車でアドブルー噴射異常の自力での消し方はありますか?

ヒューズを抜くなどの裏技では消去できません。根本修理なしに自力で完全に消去する方法はなく、アドブルーに関する警告をリセットするには修理後にスキャンツールによる操作が必要です。

そのため、必ずいすゞ販売会社(ディーラー)またはいすゞ車対応の整備工場で診断と修理を受けてください。

異常警告を放置するとエンジンの再始動はできなくなりますか?

車種・年式・異常の内容によっては、異常警告を放置して走行を続けると段階的にエンジンの出力制限がかかり、最終的に再始動制限が発生するケースがあります。これはインデュースメントシステム(排出ガスの悪化を防止するための法的な運転制限)によるものです。

警告灯が点灯した場合は、警告の内容を取扱説明書で確認し、無理に走行せず、いすゞ販売会社または整備工場に連絡してください。

ディーラー以外でもスキャンツールによるリセットは依頼できますか?

はい、いすゞ(エルフ)に対応したスキャンツールを保有している民間の整備工場であれば依頼できます。すべての工場がいすゞ車対応のスキャンツールを所有しているわけではないため、事前に確認することをおすすめします。

部品の交換や配線の修理からエラー履歴の消去まで、一貫して対応できる工場を選ぶとスムーズです。ディーラーが混雑している場合は、地域の専門業者を頼るのも一つの手です。

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