共有
世界初の商業用アンモニア燃料船が韓国で命名され2026年5月より順次納船を開始
世界初の商業用アンモニア燃料中型ガス運搬船が韓国の造船所で正式に命名される
2026年4月9日、韓国の蔚山にあるHD Hyundai Heavy Industries(HHI)造船所において、世界初となる商業用アンモニア燃料中型ガス運搬船2隻の命名式が執り行われたと発表された。ベルギーの海運企業Exmarの子会社に向けて建造されたこれらの船舶は、2026年5月と7月末にそれぞれ納船される予定となっており、海運の脱炭素化に向けた商用運用の開始を意味している。[1]
今回命名された「Antwerpen」と「Arlon」は、全長190メートル、幅30.4メートル、容積4万6000立方メートル級の中型ガス運搬船であり、アンモニアとLPGの両方を輸送できる設計が採用されている。搭載されたデュアルフュエルエンジンは、アンモニアと従来燃料の切り替えが可能であり、供給インフラが未整備の寄港地においても柔軟に運用を継続できる仕組みが整えられている。
アンモニアはマイナス33度で貯蔵が可能であり、液化水素と比較してエネルギー密度が約1.7倍と高く、既存のインフラを流用しやすいという経済的な利点が示されている。一方で、燃焼時に温室効果の極めて高い亜酸化窒素や大気汚染の原因となる窒素酸化物を排出する可能性があり、公衆衛生への影響を最小化するためにはエンジンの浄化技術や国際的な規制の整備が前提条件となっている。
命名されたアンモニア燃料中型ガス運搬船の主要諸元と技術的特徴
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 船体寸法 | 全長190m × 幅30.4m × 深さ18.8m |
| 積載容量 | 46,000立方メートル級(中型ガス運搬船) |
| 推進システム | アンモニアとLPGの双方に対応するデュアルフュエルエンジン |
| 安全設備 | アンモニアパージ回収ユニットおよびリアルタイムガス検知システム |
| エネルギー密度 | 液化水素と同体積のタンクで比較した場合の約1.7倍 |
Fuel Connect編集部の整理
本記事は世界で初めてアンモニア燃料を用いた船舶が商用段階へ移行した事実を整理しており、従来の概念実証から実働する物流資産としての運用が開始されることを示している。海運業界の脱炭素化を推進する企業や、次世代燃料の供給インフラ構築に携わるエネルギー関連の読者にとって、具体的な船舶のスペックや納船時期は実務上の重要な指標となる。
アンモニア燃料の導入は二酸化炭素の排出削減に寄与する一方で、窒素酸化物の管理や燃料コストの低減といった運用上の課題が依然として残されていることが浮き彫りになっている。船舶管理や燃料調達を担う担当者は、国際海事機関による排出規制の動向や、グリーンアンモニアの市場価格推移を注視しつつ、自社のフリート更新計画を検討する必要がある。
References
アドブルーの関連コラム
【三菱】キャンターのアドブルーが減らない原因
アドブルータンクの故障原因や補充方法などを解説
アドブルー(AdBlue)がガラスについた時の影響と対処法
【アドブルータンク】トラックごとの容量とトラブル対処法
アウディのアドブルー残量を確認する方法
ベンツのアドブルーを自分で補充する方法
トラックとダンプのアドブルー消費量が増加する原因
ベンツのアドブルー残量を確認する方法
キャンターのアドブルー消費量と警告灯の消し方
UDのアドブルー添加システム異常の原因と対処法