News

S.RIDEとムービーズがレクサスLMによる自動運転と車内エンタメ融合車両の実証実験を実施

自動運転技術を活用した車内エンターテインメント車両の実証実験をレクサスLMで実施

タクシー配車アプリを運営するS.RIDE株式会社と株式会社ムービーズは、2026年3月に開催されたイベントにおいて、自動運転技術と高度な車内エンターテインメント機能を融合させた特別車両の実証実験を実施した。ベース車両にはレクサスLMが採用されており、ルーフには3機のLiDARや6機のミリ波レーダー、GPSアンテナ、さらに車内には視聴者の位置を捉える単眼カメラなどの制御ユニットが搭載されている。[1]

車両内部には専用の空間再現ディスプレイ2機設置されており、乗客は専用のゴーグルやメガネを装着することなく、視点の動きに合わせたパーソナルな3D映像を視聴することが可能となっている。音響面では360度スペーシャルサウンドマッピングが導入されているほか、キャラクターのイメージに合わせた香りを噴霧するアロマディフューザー機能も備え、五感に訴える移動空間が構築されている。

実際の運行はイベント会場間の移動を想定して行われ、交差点での横断歩行者に対する自動ブレーキの作動など、公道における自動運転の挙動も確認された。この車両は後席を完全なプライベート空間として活用することを目指しており、人気コンテンツとのコラボレーションを通じて、移動時間そのものを付加価値の高いエンターテインメント体験へと変換する試みとなっている。

特別車両に搭載された主要な自動運転機材と車内設備

項目 詳細
外部センサー LiDAR3機、ミリ波レーダー6機、GPSアンテナ
映像設備 空間再現ディスプレイ2機(裸眼3D対応)
音響・芳香 360度スペーシャルサウンドマッピング、グリッドセント(香料噴霧器)
ベース車両 レクサスLM(定員2名・後席エンタメ仕様)

Fuel Connect編集部の整理

本実証実験は自動運転技術の普及を見据え、運転業務から解放された乗客に対して提供する新たな付加価値サービスを検証するものであり、タクシー・ハイヤー業界における次世代の収益モデルを提示している。車両管理を行う事業者にとっては、高度なセンサー類の実装に伴うメンテナンスコストの変動や、車内コンテンツ配信プラットフォームとしての車両運用という新たな業務領域の可能性を示唆している。

また、移動空間のプライベート化とエンターテインメント化の両立は、MaaS領域におけるサービス設計において重要な要素となり、観光業やプロモーションに携わる実務者にとっても関連性の高い事例といえる。特定のイベントやIPと連動した運行実績は、将来的な自動運転タクシーの普及過程において、先行して導入が期待される特定の用途や利用シーンを具体化する判断材料となる。

References

アドブルーの関連コラム