News

いすゞ自動車とホンダが大型燃料電池トラックの投入延期を決定し水素インフラの整備遅れが影響

いすゞ自動車とホンダが共同開発する大型燃料電池トラックの市場投入延期を決定

いすゞ自動車は2026年4月14日、ホンダと共同で進めている大型燃料電池トラックの市場投入時期について、当初予定していた2027年から延期し、新たな投入時期を未定とすることを明らかにしました。この決定の背景には、燃料供給インフラである水素ステーションの整備が遅れていることや、実用化に向けた車両重量などの技術的課題が解消されていないという判断があります。[1]

燃料電池車は走行時に水のみを排出するため環境負荷が低いほか、電気自動車と比較して航続距離が長く燃料補給時間も短いという利点があり、長距離輸送を担う商用車への活用が期待されてきました。両社は2020年1月に共同研究契約を締結して以降、2023年から2025年にかけて公道での実証実験を実施するなど、次世代大型トラックの実用化に向けた技術開発を継続しています。

国内の水素ステーション設置数は2026年時点で約150カ所にとどまっており、政府が掲げる2030年度までの設置目標である1000基に対して大幅に不足している実態が浮き彫りとなっています。また、ホンダが2040年に全車種を電気自動車または燃料電池車とする戦略の見直しを示唆していることも、今回いすゞ自動車が投入計画を延期する判断に影響したと報じられています。

燃料電池トラック共同開発プロジェクトの概要と延期の要因

項目 詳細
共同開発の主体 いすゞ自動車、ホンダ(本田技研工業)
対象車両 燃料電池(FC)大型トラック「GIGA FUEL CELL」
当初の投入予定 2027年
延期後の投入時期 未定(より実用性が高まるタイミングを検討)
主な延期理由 水素ステーションの整備不足、車両重量等の技術的課題、開発環境の変化
水素インフラの現状 国内約150カ所(2030年度目標1000基に対し大幅な遅延)

Fuel Connect編集部の整理

本件は長距離輸送における脱炭素化の有力な選択肢とされる大型燃料電池トラックの社会実装において、車両側の技術開発だけでなくインフラ整備状況が極めて重要な変数であることを示す事例です。物流事業者や車両管理担当者は、将来的なフリートの電動化や燃料転換を検討する際、車両の製品スペックのみならず拠点周辺や主要経路における水素供給体制の進捗を注視する必要があります。

燃料電池車へのシフトは、持続可能な物流ネットワークの構築を目指す企業にとって重要な経営課題ですが、今回の投入延期は燃料調達の安定性確保という実務面でのハードルの高さを再認識させる結果となりました。荷主企業や輸送会社は、2020年代後半から2030年にかけての車両導入計画を再検討するとともに、水素以外の代替技術も含めた多様なエネルギー戦略の動向を正確に把握しておくことが求められます。

References

アドブルーの関連コラム