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兵庫県豊岡市で太陽光発電と水稲栽培を両立するソーラーシェアリング事業が環境省の自然共生サイトに認定

兵庫県豊岡市の農業法人がパタゴニアと連携しソーラーシェアリングによる環境配慮型農業を推進

兵庫県豊岡市の農業法人である坪口農事未来研究所は、米国のアウトドア衣料メーカーであるパタゴニアの日本支社と連携し、太陽光発電と農業を同一の土地で同時に行うソーラーシェアリングに取り組んでいる。この事業は2026年4月20日時点で、パネル下での水稲や野菜の栽培と、発電された電力のパタゴニアによる購入を通じて、気候変動対策と生物多様性の保全を両立させる先進的なモデルとして運用されている。[1]

坪口農事未来研究所は、野生のコウノトリとの共生を目指すコウノトリ育む農法を実践しており、管理する約35ヘクタールの農地において環境負荷の低減を目的とした取り組みを継続的に実施している。2019年から開始されたソーラーシェアリング事業では、パタゴニア日本支社の投資を受けて設置された4か所を含む計5か所の発電所において、合計223キロ・ワットの発電能力を確保している。

同法人の取り組みは、陸と海のそれぞれ30%以上を保全地域にする国際目標の実現に向けた環境省の自然共生サイトに、ソーラーシェアリング導入農地を含む8.85ヘクタールが2025年9月に認定された。現在は環境再生を目的としたリジェネラティブ・オーガニック認証の取得を目指しており、環境配慮を通じた農産物の差別化と高付加価値化によって持続可能な農業経営の確立を図っている。

坪口農事未来研究所によるソーラーシェアリング事業の設備仕様と認定状況

項目 詳細
設置場所 兵庫県豊岡市三宅ほか農地5か所
発電能力 合計223キロ・ワット
遮光率 農作物の生育を妨げないよう30%程度に抑制
主な栽培品目 水稲、野菜
認定制度 環境省「自然共生サイト」(2025年9月認定)
連携企業 パタゴニア日本支社(横浜市)

Fuel Connect編集部の整理

本事例は再生可能エネルギーの導入と既存の農業生産を両立させるソーラーシェアリングの具体的な運用モデルであり、特に企業のESG投資が地域の一次産業の基盤強化に寄与している側面を提示している。エネルギー調達において環境付加価値を求める企業や、売電収入による経営安定化を図る農業生産法人の実務担当者にとって、土地の多目的利用と国際的な環境認証取得の関連性を把握する上で重要な指標となる。

自然共生サイトへの認定や特定の農法を通じた生物多様性の保全は、脱炭素社会に向けたサプライチェーン全体の環境対応が求められる中で、生産物の市場価値を高める戦略的な要素として機能している。物流や車両管理に関わる事業者が燃料調達や電力利用のグリーン化を検討する際、こうした地域密着型の発電事業との連携や支援が、企業の社会的責任の履行と事業の安定性を同時に確保するための有効な選択肢となり得る。

References

  1. ^ 読売新聞オンライン. 「兵庫県豊岡市の農業法人がパタゴニアと連携しソーラーシェアリングによる環境配慮型農業を推進」. https://www.yomiuri.co.jp/local/kansai/news/20260419-GYO1T00115/.

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